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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「+act」7月号 (林遣都 × 池松壮亮)

面倒くさそうな男二人だなあ。

ありがちな、群れをなしてご機嫌なことを一緒にする男たちとはかけ離れている、特に池松壮亮!この人とずっと友達って言える林遣都もまた同類なんだろうか。大人数でワイワイできないタイプというか。

 

対談を読むと、お互い結構なライバル心をもっていることがわかる。ただ仕事の選び方や役者としてのスタンス、考え方が大きく違っているから、お互いを一歩も二歩も離れて見ることができてるみたい。

対談で伺えるのは、林遣都の超絶口べた(!敢えて言わしてもらう)なこと。

池松壮亮が出会ってから10年、林遣都のことを常にウォッチし、現在に至る彼について冷静に分析して話した後、林さんは池松さんのことを?と振られて、「壮亮のこと、あまり知らないんです。見せないから。」ってどうよ。今さら、この対談で?!

インタビューでも言葉を選んで慎重に語る様子は見て取れる。また、これまで読んだ物の中でも口数が少ない、何を考えているかわからないなど、結構各所で言われているので想像はつく。

ありきたりのことを言いたくなくて(言えなくて)うまく自分の考えを口に出すのが苦手なんだろうなと思う。いる、そういう人。

勝手な持論だけど、俳優さんて、池松壮亮みたいに自分の考えがはっきりあって、しかもそれが固くて、というタイプ(斎藤工も?)、菅田将暉みたいにマルチに自己表現の方法があり、発信できる"自分(才能)"が多いタイプ(山田孝之、ディーン・フジオカもかな)、そして不器用に、そして器用に演じることに集中するタイプ(林遣都もそうだと思うけど、大御所だと役所広司や風間杜夫もそうだと思う。話がそれるけど、以前大竹しのぶが風間杜夫と舞台で共演した時、芝居の解釈か何かで悩んだ時に風間杜夫が「大丈夫だよ、俺たちよりお客さんのほうが賢いんだから」みたいなことを言ってくれたというのを聞いて、なるほど!と思ったことがある。解釈や見え方は演出や監督が考えることで、その意図通りに演じるのが役者だものね。)があるんじゃないかな。

長く俳優で活躍し続けるなら、最後のタイプがいいと思う。何にでもなれる。できない(演じられない)ものはない、林遣都の、その俳優としてのスタンス、好きです。

 

今回の対談、池松壮亮にずいぶん助けられていたけど、この二人のさらっとした関係、だけど、深いところで行き来している、お互いに向けられた熱の線 ー 自分が持ち得ないものへの憧憬とリスペクトを含む ー みたいなものが感じられて確かに面倒くさいけど、限りなく素敵だなと思った。

+act. ( プラスアクト )―visual interview magazine 2019年 7月号

+act. ( プラスアクト )―visual interview magazine 2019年 7月号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「銀二貫」- 7 (俳優陣礼賛)

ラストシーンは年老いた番頭はん(塩見三省)が、隠居した大旦那(津川雅彦)の臨終を看取った時の顔のアップだった。

劇中でも"怖い顔"と言われ、松吉(林遣都)にも厳しく当たったこともある番頭はん。

しかし、林遣都(松吉)と松岡茉優(真帆)がメインストーリーの主役なら、津川雅彦(和助)と塩見三省(善次郎=番頭)が真裏の、まごうことなく主役だと思う。それほどこの二人の関係性は尊かった。老境に達した二人のベテラン俳優の静と動、情としたたかさの滲み出た演技が心に染み、そこにちょいちょい合いの手で入ってくる、いしのようこのおなごし(女衆=女中)のトリオに、人生の機微の多くを教わったような気がした。

件のラストシーンで、怖い顔の塩見が本当にいい顔をしていた。この人も京都出身の俳優。

 

また、父親の仇討ちで、松吉の父を斬った建部玄武役の風間俊介についても触れたい。この話のきっかけとなる仇討ちは、実はお門違いであることを知りつつ松吉の父親を殺め、その後の苦悩・人生の辛酸は、松吉のそれと実は同等くらいなのではないか、いや、欺いた側だけに精神的重さは病に犯されるほどだったと言えよう。余命わずかとわかり、討たれる覚悟で真実を伝えに松吉の前に現れた玄武を演じる風間俊介の演技が渾身!松吉と対峙したそのシーンが、この話のクライマックスとも言えるが、両者迫真の演技。お互いが武士を捨て一人の人間として、これまでの遺恨が昇華できた印象的なシーンだった。

 

若手の脇を固めるベテラン俳優たちが本当にいい味を出していて、大阪、船場商人の暖簾を守る心意気と矜持を堪能できたお話でした。 

 

 主な出演者(NHK公式ページより抜粋)

  • 松吉(まつきち) …林 遣都 ...
  • 真帆(まほ) … 松岡茉優(4回~最終回) ...
  • 善次郎(ぜんじろう) … 塩見三省 ...
  • 真帆 … 芦田愛菜(少女時代) 9歳のころ松吉と運命的な出会いを果たす。 ...
  • お里(さと) …いし のようこ ...
  • 嘉平(かへい) … ほっしゃん。 ...
  • 梅吉(うめきち) … 尾上寛之 ...
  • 半兵衛(はんべえ) … 板尾創路
  • お和歌(わか)…萬田久子  ←老舗のごりょうはんとして、迫力満点!

「きのう何食べた?」- 4

卵をとく時は、箸を平行に持ってボールの底をひっかくように12.3.4.5.6.7.8.9.10.往復し、ボールを90度回して1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.。さらに90度回して、、、と、賢二がやっていたように今ではやっている。賢二(内野聖陽)が、シロさん(西島秀俊)のためにだし巻き卵を真剣に作るとシーンを思い出しながら。

シロさんの手慣れた料理の作り方よりも、大きな手で、作り方を声に出して言いながら一生懸命作る賢二の料理手順のほうがなぜだか頭に入っている。

 

こんなに大きな展開がないドラマも珍しいだろう。カップルで暮らしているなら(敢えてゲイとは言わない)起こりうる、嫉妬心や誤解や、ツンデレで相手を傷つけてしまったり、ダブルデートしたり・・。そんな男同士のカップルの日常を毎週楽しみに見てしまうのは、やはりこのドラマのキャスティングが功を奏しているとしか言えない。

ドラマが進むにつれ、内野さんが少し華奢になってきたような気がするのは気のせいだろうか。役者さんなら役に入り込んでしまうだろうから、無きにしも非ずだ。あんな乙女な賢二だもの。シロさんと暮らすうちにセンが細くなってもおかしくない。賢二の健気さと、賢二を見るシロさん(西島さん)の優しい笑顔を見たくて、深夜にも関わらず毎週きちんとテレビの前にいる。

 

そして、先週シロさんが気づいた、毎日もう1皿・・とおかずを増やしているのは、賢二がいるからなんだよな、ってこと。それは毎日何作ろうかなって考えている私も同じ。そう、”愛は食卓にある”のだよ。(確かキューピーマヨネーズのCMコピーだった。)

 

 

「銀二貫」- 6 (大阪商人:あきんど言葉)

「いとさん」商家の娘・子ども

「とうさん」商家の成人した娘

「ごりょんはん」商家の奥さん

御棚の女性を呼ぶ言葉がたくさんあって、なんとも"らしく"ていい。

語源が知りたくてググってみたところ、「いとさん」は"いとおしい"からきているらしい。また「とうさん」は、"い"が抜けたもの。そう言えば「こいさん」も聞いたことある。こちらは末娘を指し「小いとさん」の後半が省略されたもの。

「銀二貫」でも、この呼び分けがされていました。また、主人公の松吉は、「松きっとん」と、浦浜アリサ演じる、松吉に恋心を寄せるとうさん、そして語りの天ちゃんこと天神さんの狛犬(声:ぐっさん:山口智充)だけが呼んでいました。江戸なら「松きっつぁん」だろうけど、「松きっとん」というのがなんか愛情が滲み出ていて耳に心地よかった。

ところで、この時代劇に浦浜アリサ(お咲=とうさん)というハーフのモデルを使うって?と最初は思ったけど、この時代にして、この"とうさん"の破天荒ぶりを表すにはちょうど良かった。鈍感松吉への恋に破れても健気だったし、その後松吉の恋を応援する気っ風の良さもはまっていた。彼女を始め、出演者の多くが関西出身というのも素晴らしいキャスティング!関西出身でないのは、メインでは津川雅彦と芦田愛菜くらいじゃないかと思ったくらいだ。それほど、関西弁が肌から聞こえてきた感じよ。

 

第1回目で、松吉が「行ってきます。」を丁稚言葉でうまく言えず、「ほな、いて参じますうー。」と練習していたのが微笑ましく、私も日常「行ってきます」を言う度に、遣都松吉のそれを思い出す。(ほどの作品への入れ込みよう(汗))

「銀二貫」- 5 (始末について)

大阪商人の心得は「始末」「才覚」「神信心」。

井川屋の番頭(塩見三省)が丁稚に教え込む、今でいうところの経営理念だろうか。特にこの「始末」という言葉が、”ケチ”とは違うと幾度となく語られる。

「始末」という言葉をWeblioの三省堂大辞林で見てみると

 (物事の)しめくくり付けること。片付けること。処理。
 無駄遣いしないこと。倹約すること。
 結果主として悪い状態についていう。 
 物事始めから終わりまでの事情事の次第。 
 
とあり、「銀二貫」では、②に努めながら①を果たすことが美学とされている気がした。
ドラマを見ているうちに。すっかりこの言葉の虜になっていたところへ、最近読んだ樹木希林の「一切なりゆき」という本でも、彼女が始末という言葉を使っていてーまさに上記の②①の通りにモノや物事に対処していた様子がうかがえたー
絶妙なタイミングで私の周りに”始末”という言葉があふれた。
 
そのものが必要に応じて作られ、役目を果たして終われるように使い切る、始まった事柄を納得がいくように終了させる。気持ちのいい、さっぱりとしたやり方だと思う。
主人公の松吉(林遣都)が長年思い続けた真帆(松岡茉優)と夫婦になると報告した際、すぐにでも祝言をと奨めた和助(津川雅彦)に対して、自分がこの寒天問屋に入るきっかけとなった仇討ち料、銀二貫を、もともとの使い道である天神さんに寄進してから、と凛々しく宣言した時にも「銀二貫の始末をしとうおます」と言った。20年近くに及ぶ長いことかっかった末の”始末”だ。この間、寒天問屋は二度にわたり銀二貫で人助けをする。しかし、彼らにすればそれは人助けだけにあらず。今でいうとことの”投資”だったのだ。
 
新しい寒天料理を試行錯誤するなか、松吉は真帆に「みんな寒天が繋いでくれているような気がする」と言ったが、いやいや、実はこの話、銀二貫が繋ぎ、紡いだ"ええ話"だったのだと思った。
 
 
 

「あなたの番です」-5

あまりにも多い登場人物。順不同に(?!)殺されていく人たち。もはやこのミステリーの推理についていっている視聴者は少ないんじゃないか?私は劇中でミステリー好きの翔太(田中圭)の推理にすらついていけてなかったもの。

この前まで1番怖かった児嶋さんが殺され、田中圭を慕う、もはや病的な表情、奈緒演じるは尾野さんの危険度もマックスに近づいてきた。田中圭にオリジナルのミストを塗りたくる異常行動では、あれが青酸カリなのではないかと、思わず目を伏せてしまったよ。

 

来週、いよいよ私の本命、木村多江の化けの皮が剥がれそうで、彼女の驚愕の豹変ぶりを見るのが楽しみ!

 

「銀二貫」- 4

また、林遣都の作品を追いかけていて、珠玉の作品に出合ってしまった・・・。

全9回鑑賞。

父親を仇討ちで殺され、寒天問屋の和助に銀二貫で仇討ちを買われ、命拾いした武士の子息が、自分は何者か悩み揺れながらも一人の人間として成長する様を、大阪商人の心意気と人情でつづったドラマ、と思っていたが、そんな甘いもんじゃありまへんでー。(と急に大阪商人言葉になってしまう。)

全9回の中で、舞台となる大阪・天満の寒天問屋は商売のピンチを迎えるたびに”才覚”と”始末”で乗り切り、大逆転を果たして暖簾を守っていくのだが、その発想が今でいうところの“マーケティング“の賜物なのだ。もはや「がっちりマンデー」か「プロジェクトX」を見ている気分。そしてその都度、主人公が商人としての矜持を育てていく様も気持ちいい。見終わって全くもって素晴らしい筋書きだと唸ってしまった。

林遣都、まごうことのない”大”主役。武士である本来の自分、父の教え、そしてその父の非業の死。揺れる心、繊細な演技がこの作品で開花していた。丁稚としてはかなり劣等生、男としてもなかなかのヘタレぶりを発揮していたが、それゆえに最終回、立派に井川屋の暖簾を継いだ旦那さんとしての姿が眩しかった。

そして林遣都の大健闘!もさることながら、津川雅彦を筆頭にこの作品の出演者一人ひとりも素晴らしく、それはまたの機会で触れたいと思う。

今回の最後に、初の時代劇だけれど町人役かあと思っていたが、(遣都)松吉の背中、手の表情がお侍さんのそれだった。(私の)念願かなって武士を演じている林遣都が観られました。大満足! 

銀二貫 [DVD]

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