はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「ワンス・アポン・ア・タイム ・イン・ハリウッド」(2019年)

往年のハリウッド映画をたくさん観ている人や、当時のハリウッドスターに詳しい人なら、きっとクスッと笑える仕掛けやオマージュで溢れ、もっと楽しめると思う。

公開当時、映画好きの友人が早速劇場で観て「タランティーノの遊び心いっぱいの、まあ、B級映画だわ」と言っていたが、映画の賞レースでは評価が高く、アカデミー賞でブラッド・ピットが助演男優賞をとった。この時のウィットに富んだスピーチのすばらしさも話題になったが、「演技するという仕事を与えてもらえて感謝する」というブラピの言葉に、やはり観なければと思った次第。

 

ハリウッドの黄金期を背景に中年の落ち目の俳優とそのスタントマンを、二大スターがが郷愁と滑稽たっぷりに演じているのだが、私は受賞したブラピよりレオのほうがカッコ悪い、間抜けともとれる中年男を渾身で演じていて良かったように思う。カッコいいところほぼ0だよ。1か所だけ、セリフを飛ばして落ち込んだ後、喝を入れて臨んだ悪役の怪演を子役の女の子(もちろん監督にも)に評価され、自信を取り戻した後の表情、どこまでもブルーな瞳が往年のキラキラ輝くディカプリオを思いださせてくれた。

一方、落ち目の俳優のスタントマン役のブラビは、レオと共に仕事を減らし、トレーラーハウスにピットブルと住んでいる。言葉少なで粗野な面もあり、逆にそれがクールにも取れる。当時若者に隆盛していたヒッピー文化にも動じず、一般常識を持ち合わせる物静かな大人の男という感じだ。アップになると皺がどうしても目立ってしまうけど、少し引きで映ると、やっぱり髪の毛サラサラでカッコいいいブラピがそこにいた。スタントマンらしく、傷だらけのマッチョな体もナイス!

二人がイタリアでマカロニウエスタンの映画に出演し、そこそこの収入とレオは妻を得て帰国後、9年間のバディに終止符を打つことを話し合う。9年間、公私ともに補完し合った二人の、酒で流すしかない溢れる寂しさとは裏腹に、表面のドライな様子がなんともいい。このシーンに限らず、男の友情、時々アメリカ映画なんかで見かけるこういった男同士のシーンに何とも言えない”孤独”と、”一人で立つことへの責任”のような清さを感じて、少し心が痛いのだけど、いいなあと思う。

映画全体で3時間は長いと感じたけれど、レオとブラビの2人の名演は大いに楽しめた。

ラストシーン、ディカプリオの新進気鋭の映画監督ポランスキーへの迎合ぶりは、全身から滲み出ていて最高だった。 レオ、演ってくれたな!

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド (字幕版)