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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「糸」(2020年):主演二人の話題性、豪華俳優陣を布陣するも

中島みゆきの「糸」の歌詞にインスパイアされ、平成元年に生まれた男女の、糸でつながった30年間を描いた本作。

13歳で出会って恋して、悲しい別れがあって、友人の結婚式で偶然出会って、でも結ばれず、それぞれの道を歩き・・結婚したり、ビジネスで失敗したり成功したり、、令和になる時に再び運命に惹かれて出会う二人。

W主演の菅田将暉と小松菜奈の演技は文句なしに素晴らしい。そしてご本人たちも、どうやらこの再共演がきっかけで(「ディストラクション・ベイビーズ」「溺れるナイフ」に次ぐ)恋愛関係へと発展したらしい。コロナ禍で公開が遅れたが、公開にあたっての宣伝では、二人の仲睦まじい様子がテレビを通じて連日映され、映画を宣伝しているのか、二人はカップルです、その二人が”糸”で結ばれるカップルを演じました、と言っているのか、、、

 

私は、映画の感想を書く時は悪く書かないことにしている。正確に言うと、悪く感じたところを書いたとしても別の良いところを必ず書く。
なぜなら劇場公開された映画は多くの人が携わっていて、ものすごく細分化されたプロの仕事が結集されて出来上がっているはずだ。故にどこか見所があるのだ。私の視点かもしれないが見どころはある。できればつたない私の感想でも、読んだ人が少しでもその映画を観てみようという気になってもらいたいと思っているからだ。

 

本作で言えば、やはり小松菜奈だろうか。彼女が出演している作品を何本か観たことがあるが、雰囲気のある大きな目、モデルなみの高身長とスタイルの良さ、フォトジェニックではあるが、女優としてはどうなんだろう・・と思っていた。しかし、本作の小松菜奈は生い立ち故か得体の知れない芯の強さがあってとても良かった。

そしてもう一人、菅田将暉の中学生時代を演じた南出凌嘉君。「姉ちゃんの恋人」で有村架純姉ちゃんの3番目の弟を演じていて、はっきり言って3人の弟の中で演技は一番上手かったのではないかと思ったくらいだ。本作でも中学生男子のウブさと、女の子の前で背伸びをした感じを繊細に演じていた。何を隠そう、本作全編を通して涙が出そうになった唯一のシーンは、主人公の二人が中学生の時に無理やり引き離される、その瞬間だった。

 

菅田将暉の奥さんになる職場の先輩の榮倉奈々など、若くして癌で亡くなるという役柄のため激やせしてリアルを追求して臨んでいた。久しぶりに見た永島敏行や端役で成田凌、二階堂ふみ、斎藤工など、結構ゴージャスな出演陣だった。


それにしても「糸」の曲も、予想通りなら”このシーンでこの歌が流れてきたら絶対泣くやろう”と思うのに、全然そんな感じでは挿入されず泣けもしない。(いや、泣くために観たわけじゃないけれどさ)極めつけはエンドロールで菅田将暉が「糸」を歌っていたことだ。なんか違うんじゃない?

確かインタビューで菅田が自分の好きな人ばかりが集まった作品、みたいなことを言っているのを読んだ記憶があるが、一緒に歌っていたのが石崎ヒューイというのもうなづける。なんだか、超超売れっ子の菅田将暉をがっつり映して、ついでに実力派の若手に名を連ねる小松菜奈をつけ、誰もが知っている「糸」の曲を胸に沁みわたらせてください、と押しつけがましく言われているようだった。

 

でも最後に念押しで書いておきます。

本作の菅田将暉は変な髪型でもなく、彼に一番似合っていると思われる短髪(昔のauのCMのオニちゃんくらい)で、疑う余地なくカッコ良かったです。そして前述通り小松菜奈も美しくて強くてとても良かったです。

 

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