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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「ゴッドファーザー」3部作:人生の光と影を鮮烈に描き切った名作

50周年記念で再々注目された本作を、恥ずかしながら初めて鑑賞したので、記録のために感想を書き留めておこうと思う。

 

イタリア系移民がアメリカで家族を守るために、多少手荒な真似をしながらもしたたかに生き抜いていく様を親子2代にわたって3部作で描いた大河ドラマ。

NYのマフィア、コルレオーレファミリーのお祝いごとのパーティシーンが華やかに開催される裏で、権力にすり寄り、利を得ようとする輩がいる。愛する家族と大勢の仲間に囲まれたハレの日には、かならずその後の不穏の芽が姿を現している。さあ、物語が始まる ― パーティシーンはファンファーレだ。

 

ヴィトー(初代ゴッドファーザー:マーロン・ブランド)も、ヴィトーの後を継いだ次男マイケル(アル・パチーノ)も、”ファミリー”を守るために時に冷徹な判断と行動をとるが、血の気の多いタイプではない。そして、できればことを荒げる必要はないと心の中では思っている。しかし、彼らの意に反して、物事は時に悲劇的な展開になる。

二人の”ゴッドファーザー”にとって人生は必ずしも思い通りにはならない。

街の祭りやパーティ、息子の晴れ舞台、そういうハレのシーンの最中に血なまぐさい計画が執行されたり、前後に悲劇がコルレオーレファミリーを襲う。そういうハレ(光)とケ(影)の演出が本当に秀逸。画面での光と影の使い方も素晴らしい。マイケルの、自分の描いた方向と違う生き方を思う、憂いに満ちた顔に当たる光、そして影。

最終話で裏家業から足を完全に洗おうとした2代目マイケルには、そりゃあもう、苦悩の挙句に悲劇しか用意されていないという衝撃的ラスト。人生は、ここまで思い描いたものと違うのか!

 

マーロン・ブランドの、そこにいるだけで”ゴッドファーザー”の貫禄と畏怖を与えるすごさは、言うまでもない。

ヴィトーの若かりし頃を演じたロバート・デニーロは、ゴッドファーザーが持つもう一つの顔、したたかでキュート面を見せてくれて甘くセクシーだった。

そして老境に入ったアル・パチーノの苦悩するゴッドファーザー!その前に、若かりし頃のイケメンぶりを書き忘れるな!(私の中ではっきりと記憶にある最初のアル・パチーノは「エニイ・ギ「エニイ・ギブン・サンデー」の老獪な監督役、小柄でだみ声のオジサンだったのだからその衝撃はいかに!「エニイ・ギブン・サンデー」の感想はこちら

3部作通して、やはりアル・パチーノの演技のすごさが印象に残った。思わず、アル・パチーノをググってWikiで見て、彼がアカデミー賞主演男優賞を受賞した「セント・オブ・ウーマン」を観てみなきゃという気になっている。

 

人生の光と影をここまで鮮やかに、残酷にカッコよく描いた作品も、あまりない。