実家の父が"フジ"と呼んで手懐けている野良猫。
先月怪我をして父が大げさに心配していたが、餌をくれ安全な居場所を提供してくれる父の元にあれからずっと来ているようだ。
連休に帰省したら、あれほど私を警戒し、私がいると慌てて消えていたのに、今回は目があっても、「よう。」って感じで微動だにしない。
窓際の父が座る椅子に丸まっていると思えば、次に見たときはいなかった。父がきっと居間にいる、というので見に行ったら、確かに絨毯に寝そべっている。翌日洗濯物を干そうと庭に出たら、農機具にかけた毛布から、手のようなものが見えたのでそっと近づくとフジが爆睡していた。
フジは、野良猫をやめたのかな、と思ったけれど、さにあらず。彼は気の向くままぷいっといなくなり父を寂しがらせるのだ。ただ今回の負傷で、父が栄養をつけさせようと、猫缶まで買って与え、家にも入れてやって随分と居心地が良かったのだろう。最近はほぼ毎日来ているようだ。フジも年をとったということだろう。うちに落ち着いてくれたら、こちらとしてもありがたい。フジのことを話す父の声は明るい。
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