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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「サッド ヴァケイション」(2007年):オダギリジョーの出演作で、また良作に出合う

青山真治監督の北九州サーガ三作目。

少し前に二作目の「EUREKA(ユリイカ)」を鑑賞していたので、観ているうちに前回に続いて登場する人物を思いだしてきた。宮崎あおいは、バズハイジャック事件の被害者、梢役で、バスの運転手だった沢井(役所広司)に救われた女の子だった。事件後、口がきけなくなっていたけれど、沢井との”癒し”の旅を経て、しゃべられるようになっていた。沢井はその後、病気でなくなったと語られていた。

本作は、1作目「Helpless」の主人公、白石(浅野忠信)の話の続きで、白石が自分を捨てた母親の再婚先の運送会社「間宮運送」に身を寄せることになり、そこで起こる悲喜こもごもが描かれる。

赤い色が特徴の吊橋、若戸大橋、道路、民家、海岸沿いの砂・・・。ザラっとした画質で映される北九州の風景が、雄弁に登場人物たちの心象風景を物語る。熱を帯び、渇き、壊れかけ、複雑な感情を抱えている。

物語の展開について、余計な説明がいっさいなく、”そうなった”シーンがあるのみ。観ている方は、人物の感情がどのように動いたらそうなるのか、鑑賞後も考えることになる。

一人、全てをわかって、全てを受け入れ、なおかつ力強く前を向くのは、ほかではない、白石の母(石田えり)だけということか。白石は、自分を捨てた母を恨み、復讐しようと企てるけれど、そんなものにひれ伏すような女ではなかった。

石田えりの強い瞳、口元、肝の据わった佇まいが何とも言えない。この母親が全ての悲劇(悪)の根源なのか、それとも全て救う菩薩なのか・・・そんな問いを反芻してしまった。

撮影当時たぶん10代と思われる高良健吾のナイフのような鋭い目線が印象に残る。

そういえば、オダギリジョーが出演しているから観た本作だった。


オダギリジョーは、ムショ帰りや様々な理由で身の置き所がない”半端者”に仕事と寝床を提供してくれる間宮運送に身を寄せる男、後藤役。クールを決めているつもりだが、実は気の小さい強がりを言うだけの男。
白石とのちょっとした会話で、後藤が白石のプロフィールを語っているようなところがある。

それにしても、浅野忠信。

俳優は演技力、と思うところだが、この人が持つ雰囲気は本当に独特。物静かな表情に、怒りや悲しみや優しさや諦めなど、すべて伝えることができる稀有な存在だと思う。

なんとも悲劇的な展開に思えた話だけれど、最後のシーンですっと気持ちが晴れる。
ラストシーンの明るさは、監督が私たちにくれた”ギフト”のようにも思えた。

57歳という若さで亡くなった青山真治監督。存命なら素晴らしい作品をもっと数多く世に出しただろう。彼の劇場用映画デビュー作であり、浅野忠信の初主演作品「Helpless」はやはり観ようかなと思った。

 

 

「EUREKA(ユリイカ)」の感想はこちら☟

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