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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「おとなの事情」(2016年):人のスマホの中身は決して見てはいけません

スマホの中身はその人の行動のすべてが入っている。そしてキチンとして見えるフツーの大人にも、一つや二つの隠し事があるってこと。

イタリアで公開され数々の賞を受賞した本作は、日本を含む数か国でリメイクされるほど、当時SNSに人々の生活が支配され始めた現代社会のトレンドにバッチリはまったということか。

月食の夜、ディナーに集まった幼馴染の3組のカップルと、恋人が病気のため一人で来た男、そしてホストの家の娘、出演者はこのたった8人のワンシチュエーションドラマ。
お互い隠し事はないよね、という前提で、その日スマホにかかってくる電話、メールを公開し合うというゲームをすることになり、それまでパートナーや友人に内緒にしていた秘密が、月食の夜さらされていく・・・。

豊胸手術や、若い子とのたわいのない写真のやりとり(でも絶対妻には知られてはならない)、浮気(これもまた知られてはならない)、ストレスからくる(?)変態的趣味・・、それぞれが秘密がバレそうになって慌てる様を、最初は面白ろおかしく見ていたのだが、だんだんと長年にわたる友人や愛し合ったパートナーの秘密が露呈するうちに、不信や怒りを覚える登場人物たち。そのころには、なんてひどいゲームを始めてしまったの?と、こちらも笑いよりも悲惨な気持ちで展開を見守ることに・・・

観ていて感じたのは、子育てや親の老後問題と向き合うイタリア人の彼らの悩みに、日本人の私も大いに共感できたということ。(そうか、だから各国でリメイクされたんだ)年齢を重ねたからの悩みもあれば、若い頃と変わらないような悩みだってある。大人も様々な悩みを抱えながら、でも”ちゃんとした大人として”精一杯ふるまっているのだ。(それが大人ってことかしらね)

 

8人の登場人物による、一晩のワンシチュエーションドラマは、早口のイタリア語が飛び交う台詞劇。俳優たちの緊迫したクルクル変わる表情を含む熱演も観どころ。

ラストのどんでん返しをお楽しみに。

 

おとなの事情

おとなの事情

  • ジュゼッペ・バッティストン
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