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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「ヤクザと家族 The Family」(2021年):エンドロールで流れる常田大希のテーマ曲を聴きたかった!

特にヤクザ映画が好きなわけではないが、今年初めに観た「孤狼の血](2018年)以来、ヤクザものをやたら目にしているような気がする。しかし本作でヤクザ映画は2本目だが・・・と思ったら、ドラマ「コーヒーいかがでしょう」「QP」「GIRI/HAJI」などをを見ていたせいだと気がついた。

なので、なかなかの暴力シーンも結構平気になってきた。

 それにしても、駿河太郎という俳優は、よく惨殺される(役回りだ)よなー。「孤狼の血」では堅気の金貸しとして殺され、本作では対抗組織の若頭的存在で、やっぱり殺される。それと、磯村優斗だが、チンピラ―しかもどこか純粋で繊細なところがあるー役がめちゃくちゃハマる。本作ではラストシーンで魅せてくれた、半グレなのに透明感のある優しい表情が印象的だった。

 

さて、本作は暴対(暴力団対策法)が施行され浸透する、前後約20年の間、一人のヤクザとして生きた男と彼の”家族”の物語。
オヤジ(親分:舘ひろし)と盃を交わし、縄張りの秩序を保つことでシノギを得ていた時代は終わり、ヤクザでいること、ヤクザと一瞬関わっただけでも社会から排除される対象となった今、シフトチェンジできなかった古い時代のヤクザがどう生きているか。彼らにも家族があり、大切な誰かがいる。映画はそのことを是非ではなく、事実としてフラットに描いていたように思う。

 

綾野剛が本当にすごい。前から演技力はテッパンだと思っているけれど、今回も主人公の賢治を19歳から40歳前まで、きっちり演じきっていた。賢治の孤独や甘え、不器用さを自在に表現する。14年の刑期を終えて出てきた時は、鋭さをどこかに置いてきたような落ち着いた姿、世の中の変わりように驚き、落胆し、それでも一瞬幸せをかみしめることができた瞬間の顔。

日本って(いや、他の国や社会もそうなのか?)人の更生を認めない国なのだろうか。一度犯した過ちは、未来永劫忘れ去られないものらしい。忘れなくてもいいけれど、過ちを犯した人が復活しようとしても認めないのだろうか。

そして、その人たちと少しでも関わった人についても同様に村八分にしようとする。ネット社会だから?それとも昔からある”異質を受け入れない”島国根性だからか?

ヤクザから足を洗って社会人として扱われない5年間を耐えて、やっと普通の家庭を持てたと思った賢治の弟分(市原隼人)の最後の選択が悲しい。

そう言えば、最近の市原隼人はいつも、どーんと落ち着いた”大物感”が漂う役をやっているのをよく見たけれど、本作では下っ端のチンピラ役で体まで小さく見えた。(もともと大きい人ではないけれど、筋肉で武装しているような気がする)最初市原隼人とわからなかったくらいだ。流石!

 

鑑賞後、「竜二」というヤクザ映画を思い出した。夭逝した金子正次が脚本、主演していて、金子正次二という俳優をその作品で初めて知った。映画館で観たと思うが、ものすごく大昔でストーリーは覚えていない。ただ、特売に並ぶ嫁の姿を見て、ヤクザから堅気になった竜二が、家族の元から去るシーンを今でも覚えている。ググって予告編をみたら、ヤクザやめましたーって言って、わりとすぐ普通に働けたみたいな描写があった。時代は変わった―。

最後に、ラストで流れる常田大希の本作書き下ろしのテーマ曲を聴きたかったー。NETFLIXじゃエンドロールが流れない!それだけが心残り。

 

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