確か解禁日に、このアルバムの中にある「テキサス・ホールデム」をJ-WAVEで聴き、ジョン・カビラが一部を紹介したビヨンセの長文コメントのことが頭に残っていた。
彼女がテキサスで感じた違和感・・って?
テキサスといえば、アメリカ南部に位置し奴隷解放が最も遅れた州の一つで、6月19日「ジューンティーンス」(奴隷解放を祝うアメリカの祝日)発祥の地だ。
そんなことがふと頭をよぎったけれど、1回聴いただけで気に入ったのは、中毒性のあるリズムと途中「Hey!」みたいに入る声が、お笑い芸人のとにかく明るい安村の「ヘイ!」(はいてますよ)の合いの手みたいでノリがよくて心地よかったから。
Spotifyで聴いて、この曲が入っているアルバム「カウボーイ・カーター」も聴くこととなり、以来午前中のルーチーンワークのBGMにしている。がぜん、やる気がでる。気乗りしない朝も、やる気に溢れた朝も、聴いていると勇気がわいてくる。
さて、最初にひっかかったビヨンセの長文コメントは、ソニー・ミュージックのサイトで全文を読んだ。アーティストとしてトップに登り詰めたビヨンセが、黒人女性シンガーとして強い思いで5年の歳月をかけて製作されたアルバムであると書かれてあった。それまでビヨンセのことは知っていたけれど、あまり洋楽を熱心に聴いてこなかったこともあり、私にとってはこのアルバムは初ビヨンセになった。
カントリーミュージック×ポップミュージックのとても洗練された楽曲たちは、彼女の強いメッセージに溢れ、ガツンとくるものばかりだった。最初の曲「アメリカン・レクイエム」からしてビーーンと体の芯に届く音だ。
そのメッセージ性や楽曲のすばらしさについては門外漢の私に語ることはできないが、長文コメントを呼んでいたせいもあり、歌詞の意味を正確に理解できなくても直接心臓に届く彼女の歌声と、サウンドにしびれてしまった。
とにかく良い、とてもいいからより多くの人に聴いてほしいと思う。
聴いていると、マイノリティの人たちの忍耐と戦いの日々、そして実は闘いは終わっていない事実、そんな大国アメリカの風景(たぶん今まで観てきたアメリカ映画の中の景色たち)が勝手に浮かび、ビヨンセという希代のアーティストの覚悟と決意に触れた気がする。そしてもちろん、エンターテインメントとしても素晴らしいアルバムだ。
ソニーミュージックのビヨンセ長文コメント掲載ページ
「グリーンブック」の感想の中で「ジューンティーンス」のイベントにオンライン参加した話に触れている。
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