海街の産婦人科。おネエ言葉の陽気な院長。
レディース上がりの看護士。
ファンキーなろう者の祖母と暮らす、やたらポジティブでアグレッシブなろう者の青年。
妻子を同時にお産で失くした新米中年産婦人科医。さらに、妻をお産でなくした男の執拗な言いがかりで傷つく産婦人科女医。
星ふる夜に主人公たちがで出会ったシーンで感じたファンタジーは、全編通して健在だった。そして、架空の町の病院、出演俳優のカブリ(北村匠海、光石研、水野美紀、安達祐実)もあり、度々「虹色カルテ」を思い出すこととなった。
問題を抱える登場人物たちを、ぜーんぶ、"号泣"=涙という魔法であまねく救いあげた本作。ファンタジーだからね、いいんです、と飲み込んだけれど。
起こる出来事がありきたりで、その回収もあっさりすぎて、イベント要素入れました程度にしか感じられない時もあった。
例えば、一星(北村匠海)に横恋慕する高校生の強引キスシーン、それを目撃する鈴(吉高由里子)。
一星の祖母が突然倒れ、はじめて一星が鈴に弱みを見せるシーン。ほか、看護士の一人の妊娠騒動など。
妻の死を受け入れられず鈴を恨み続ける男(ムロツヨシ)の存在も、彼の熱演に反してもはや幽霊のようで、号泣によって救われた彼の魂はわかるけど、なんか現実味がない。それは妻子を亡くして一度も泣くことができない、つまりその不在を受け入れられていなかった深夜(ディーン・フジオカ)もそうだ。10年を経てやっと遺品整理を決意し、それが物語のクライマックスだったと思うけれど、インパクトは弱かったなあ。
グダグダと書いていてわかったのだが、何度か出てくる登場人物たちの号泣シーンに、こちらの涙腺がほぼ弛まなかった、これだな、わたしがブツブツ言っている原因は。
基本、ブログで作品を悪く言うことはしないようにしているが、本作は前半がキラキラとして良かっただけに後半の盛り上がりが今一に感じた。たぶん最終回にやたら回想シーンが出てきて、ほとんどが一星と鈴のラブラブシーン。物語がほぼ終わっているのに、時間稼ぎに見せられた感が半端なく、それで余計にがっかりしたのかも。
なんか、来年の大河ドラマ「ひかりの君へ」脚本:大石静×主演:吉高由里子、"テッパン"のはずのタッグが不安になってきた。1年に及ぶ平安絵巻だと、また違うのかなあと期待は捨てないけど。