9話。
公安に所属し諜報員としてバルカ共和国に潜入していた乃木憂助(堺雅人)の父、卓(林遣都)、後のベキ(役所広司)の壮絶な過去が語られ、もはやこの回想シーンで1本の映画を観た気がした。2回目視聴して、その回想シーンが30分にも満たないことに驚いたくらいだ。
それにしても、なんと苛烈で悲しい運命だったのだろう。息子をさらわれ、内乱軍の拷問の果て亡くなった妻、明美(高梨臨)。自らも拷問の末撃たれ瀕死の状態まで陥ったが、若き日のバトラカ(今井柊斗)に助けられ、明美が言い遺した願い、憂助を探し助け出す一念で4年もの間、バルカを訪ね歩いた日々。
そして、息子が死んだと知り絶望と自棄の中で、偶然手に抱いた小さな命(乳飲み子だったノコル)のおかげで、バルカでの自分の使命に目覚めていく様。
あの短いシーンで、時間の経過、怒りや悲しみ、絶望と覚醒、強い意志を表現しきった林遣都を絶賛するしかない。(いや、ファンでなくてもネットでも賞賛の嵐です!)
そして、回想シーンから現在に戻った時の、40年後のベキ(役所広司)の在り様と、1ミリの齟齬がなく、一人の人物として重なるところもすごかった。やっぱ役所さんだよね―、卓が持っている、慈しみ、優しさ、強さがそのまま40年後にも見えた。
キャスティングが、素晴らしい!
さて、冷静になって、やはりこんな(感情、心臓をもっていかれた!)私でも本筋について考察してしまう。残り1話にして、残る謎。
1.誰が、ベキたちが見つけ、孤児救済のための金脈に使おうとしているフローライトのことを、バルカ政府に漏らしたか。
2.乃木が殺した態で実は殺していなかった別班の仲間のことを、ノコル(二宮一成)に知らせた日本にいるテントのモニターとは誰か。
3.誰がなんのために、テントの最終ターゲットが日本であるという噂を流したのか。
突拍子もないかもしれないけれど、私の考察は以下だ。
政府にフローライトのことを漏らしたと疑われたのは乃木だ。私は、乃木の存在を疎うノコルが政府に漏らしたのではないかと思う。それにより、テントのフローライトの利権は危ういものになるが、前大臣と交わした約束によりかろうじて計画は守られるのでは。ノコルはベキの信頼を徐々に得ていく憂助をどうしても排除したかったのだと思う。
また、日本にいるテントのモニターは、やはり薫(二階堂ふみ)しか思い当たらない。ジャミ―ンの父、アディエルはベキに育てられた。その父子と親しい間がらだった薫。そして乃木が別班であることも、窮地に陥ることも知らずに、モニター対象(生き残った別班メンバー)の画像を送ったのではないか。みんな病院で治療中だったし。
最後の、誰がテントの最終ターゲットは日本、という噂を広めたか。
うーん、これがわからん。
ベキの言う通り、日本に見捨てられた時に抱いた恨みを知っている者の噂が大げさになったのか・・?だとすれば、そのことを知っている人数は限られる。
で、またここでノコルが浮かぶのだけれど・・・・。ノコルだと何のためかがわからない。
ここで追加の謎4.そもそもなぜ日本政府は、乃木卓を見捨てた?
ところで、私の考察では、乃木は別班としてテントを抹殺しに来たのではなく、公安に引き渡す目的があったと思っている(今のところ)。なので、そろそろ野崎(阿部寛)チームが、テントのアジトに到着しなければならないはずだ。
そして、そもそも日本をターゲットにしていないのだから、公安はベキたちを逮捕できないし、その上、ベキ=乃木卓を公安の手で書類上抹殺しているのだから、実は何もできない。ベキたちはお咎めなしなのではないか。
薫と乃木の恋の行方はどうなる?
最終話の予告で、野崎の悲しみで歪んだ表情が一瞬映ったような気がしている。誰よりも野崎が、乃木と薫の恋を応援していたことを思うと、その彼の表情は・・・?
敵か味方か、味方か敵か?
最後までわからんたい。(うりゃっ)
[http://
ドラマランキング:title]
[http://
にほんブログ村:title]