小泉今日子と小林聡美。50代後半の2人が自然体(にしか見えない)で吐く台詞が、あまりにも中高年女子のツボにはまる。それそれー!あるある~。
ノエチ(小泉今日子)と、なっちゃん(小林聡美)は、同じ団地で育った幼馴染み。高校からは別の学校で進む道も違ったけれど、初恋も苦い社会経験も大親友としてお互いそばで見守ってきた。訳あって実家の団地に舞い戻ってきた2人は、若い頃と同じように食事を共にしたり、延々としゃべったり、遊んだり….。高齢化が進んだ団地のなかで、昔馴染みのおばちゃんたちに、若手として都合よく使われながらも楽しくやっている。
毎回、2人の周りで起こる団地住人たちのアレコレに、望む望まずにかかわらず関わる2人。
第3回の、中学の同級生、春日部(仲村トオル)が認知症の母親を連れて団地に戻ってきたエピソードは、私自身の状況と似ていて身につまされた。
認知症が進み、家で看るのも限界で施設に預ける選択をする前に、昔住んだ団地に帰りたいと願う母の希望を叶えようとした春日部。昔のことは鮮やかに覚えており、ノエチやなっちゃん、ノエチの母親(丘みつ子)たちと交流することで笑顔が戻った母。
認知症が治るわけでもなく、結局春日部は母を施設にいれる決断をする。それでも希望がかなって短い期間でも団地で昔の仲間とおしゃべりに花を咲かせることができたのは良かったではないか。
親子を見送るノエチの両親や近所のおばちゃんたちの複雑な表情を見て、親子が自分と父に重なり泣けてきた。
本作、年齢の近い2人の親友関係が、私の高校時代の友人との関係に近いと思い見始めたのだが、第4パートナーに去られたゲイ(ムロツヨシ)と、おばちゃんたちの干渉パワーなど、人との繋がりを懐かしくていいものだと思えるエピソードに溢れる。
かかわり合い(干渉とも言える?)にハラハラしながらも、やっぱり関わってしまう2人を見ながら、"団地カルチャー"にちょっぴり憧れていく自分がいる。
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