私の中で朝ドラ史上最高だった!「カムカムエヴリバディ」
城田優の優しく深みのある声で、”A long time ago, ”と、おとぎ話のように始まる本作は戦前から現代まで、母子3代を通して市井の日本人の100年を描いた。
戦争、敗戦、高度経済成長時代から現代を、女性の生き方に流行りの歌やカルチャー(時代劇含む!)を添えて。中高年にとっては懐かしい曲、流行りものが都度登場し、超ノスタルジック!な気分にもなれた。
それにしても、最終回から一つ前の回はまさに神回だった。
錠一郎(オダギリジョー)が初めて「On The Sunny Side Of The Street」に出会った場所でのクリスマス・コンサート。トミーが何かを企てていたのはわかっていたが、なんと!るいが歌う本番で、かつて錠一郎が吹いた「On The Sunny Side Of The Street」のトランペットの音源が会場に流れたのだ。
その時のオダギリジョーの表情が本当にいい。驚きと感謝と幸福感と、そんなものが入り混じった顔で静かにそれに合わせてピアノを弾き始める。やたら涙もろい最近の俳優と違って、彼の目に涙はない。驚きと感動の表情のるいも、涙を流すことなく、しっかりとジョーたちの演奏で「On The Sunny Side」を歌い始める。その回の最初の山場である。
るいが歌い始めてほどなく、アニーこと安子(森山良子)を背負ったひなた(川栄李奈)が会場に。すぐにアニーを見つけたるいは一瞬固まり、歌うことができない。しかし、しかし!そこがるいの強いところ。そもそも歌は母、安子に届けるために歌うことにしたのだ。自分の母への思いのたけを込めて、力強く歌い終えた。それが本当にすばらしく、ああ、だからるい役は深津絵里なんだーと、こちらはもやは号泣を通り越して嗚咽しながら一人納得した。
歌い終わるとすぐ、安子のもとに駆け寄るるい。そこに言葉はない。ここで視聴者はもれなく”追い”涙。(追い鰹、みたいね)
その前の回も、アメリカに帰国する安子を岡山から関空まで追うひなたの緊迫した状況が、ゴージャスなジャズミュージックとともに描かれ、以前見たことのある演出を思い出した。シーンやセリフのリフレインは、本作の真骨頂ということで、まんまと策にはまり、緊迫感を心地いいテンポで味わえた。
「たちばな」のあんこの、その後のエピソードといい、ひなたが映画村で出会った初恋の外国人の少年、ビリーに関する回収といい、本当によくできた話だなーと感心ひとしきり。
終わってみれば大満足、大大ハッピーな視聴後感しかなく、NHKさんに感謝さえした。
久しぶりに深津絵里という唯一無二の女優さんを毎日見せてくれ、そして、オダギリジョーという俳優を再発見させてくれて、本当にありがとうございました。
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