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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

「京都人の密かな愉しみBlue修行中」-2

本作を通じて、京都での四季折々の風情を体感するのに、劇中曲のピアノの音はこの上ない効果を発揮している。心の琴線に触れるとは、まさにこのことだろう。

経験や伝統一辺倒であることに反発する気持ちもありながら、”風情”なる、その場で目に映るものだけでは理解し得ない、年月や心の空間で感じるものをリスペクトする気持ち。シーズン2の最終回はそんな修行中の若者たちのひたむきさが描かれて良かった。

 

この京都人シリーズ、古都京都の魅力を解き明かす云々を飛び越え、作り手側の尋常でないほどの京都愛を感じる。愛が強すぎて、京男をくさす場面では、そこまで言うか?くらい、かわいさ余って憎さ百倍の言いようだ。

全編にわたる林遣都の語りと、ハーフの庭師見習い役の彼を見ながら、知らず知らずに京都の魔力にはまりそうになったわけだけど、ここで私の中のベスト・オブ京都の思い出が甦り、魔力に落ちずにすんだ。

 

学生時代に訪れた嵐山。

私の友人に恋心を持つ歳上の先輩の優しい、彼女を見る瞳を、燃えるような紅葉の赤色と共に思い出したのだ。まだ大人の恋なんて露ほども知らず、その先輩の恋心に気づいていたけれど、一方で友人の片想いの相手も知っていた私。ただ見守るしかなかったけど、その先輩の、好きな女性をただやさしく見つめる表情は今も覚えている。

皆で見上げた嵐山の紅葉は、深く赤く美しかった。