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はやし蜜豆の犬も歩けば棒に当たる、

好きな俳優の作品を集中して観るのが好き。その記録や映画の感想、日常気になる現象をぼそぼそ綴っていきます。

眉間に縦じわ

知り合いの女性で、眉間に縦じわがある人がいる。

子どもが生まれで程なく離婚し、女手一つで娘を育て上げ、公務員を定年まで勤めあげた。50代で妻を亡くした男性にアプローチされ、今さら結婚もないわと、籍は入れずそれぞれの家を行き来する、実に合理的な恋人関係を作り、以来30年連れ添った。

そして2ヶ月ほど前、そのツレを亡くした。

少しはしょげているかと思いきや、先日会った時は、彼との楽しかった思い出を聞かせてくれた。

御年80歳。

当時、シングルマザーでフルタイムで働き続けるのはなかなかしんどかったと思う。時短勤務なんてあってのかな。

出張だったのか、繁忙期だったのか、時々娘をうちの母に預けていた。

「80を超えてるから、人生もう終わってるのよ」とカラカラと言った。もう欲はないという意味だと思う。

人生後半の30年は、よき伴侶と一緒に、一人よりもより楽しい旅行の思い出をたくさん作ったのだ。その思い出と共に、好きな土いじりをしながら、収穫した野菜やフルーツを知り合いにお裾分けする日々。

若い頃から早口で捲し立てる感じで、気の強さが伺えたけれど、なかなか素敵な生き方だなと思う。眉間の縦じわは、彼女が乗り越えてきた試練の大きさを物語っているように感じる。

知り合いにもう一人、眉間に縦じわがある女性がいるのだが、件の彼女とは全く違う性格だけれど、それまでの人生経験を聞いたとき、私なんか足元にも及ばない、苦労をしてきたことがわかる。

苦難は人によって感じ方が違うし、苦難の大小によって、人の価値が決まるわけでもないけれど、眉間に縦じわのある女性には何故だか敵わないと、本能的に思ってしまう。越えてきたものを勝手に想像して、リスペクトしてしまう。(もちろん、勝手な私見です)